毎日新聞佐賀版 こんものも資源に「迷惑施設」の処理水人気

平成14年2月2日
佐賀市の誠水場

 佐賀市西与賀町の元相応地区農業集落排水処理施設「誠水場」の処理水が農業者の人気を呼んでいる。
「野菜を丈夫にしたり牛舎の悪臭を和らげる効果がある」とタンクいっぱいに持ち帰る人も。人気の“秘密”は、処理に使う微生物にあるという。

 誠水場は4億6000万円をかけて00年3月にできた。50世帯分、1日約65立法メートルの処理能力がある。現在、25世帯分、1日20〜25立法メートルを処理している。

 市農村環境課は維持費の節約を兼ねて、悪臭の原因となるアンモニアを分解する微生物に目をつけた。古代には有明海だったとされる長坂県内のある場所の土中にいる放線菌などだ。この土を乾燥させた製品の配合割合を変えて浄化行程前の汚水に混入し、実験を繰り返した。

 その結果、この製品を使う前には24時間と見込んでいた浄化行程が10時間に短縮された。悪臭がほとんどなく、換気扇を使わなくて済むため月12万円と計算していた電気代は半減した。

 汚泥を含む浄化中の水はもちろん、浄化工程後の上澄みに当たる処理水にも微生物は残っている。これに注目して昨年4月ごろから、県内の農家40戸が交代でくみに来るようになった。

 処理水は畑や牛舎にまき、「汚泥水」は土や堆肥に混ぜるという。使った農家からは「ネギの疫病が治った」「ナシが甘くなった」「堆肥が手早くできた」−などの報告が寄せられている。近くで乳牛40頭を飼育する弥富豊さん(37)方では昨年夏、牛舎とし尿貯蓄層に処理水をまき始めた。「悪臭の苦情がなくなり、乳の出も良くなった」と喜ぶ。県内外からの視察も相次いでいる。

 同課は、クリークから除去したホテイアオイに「汚泥水」をかけて、堆肥化する実験も始めた。「『迷惑施設』が市民の役に立てば」と話している。

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200901

AQUA Green Soil Co., Ltd.

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