AQUA Green Soil Co., Ltd.

技術としての下水道

自然界と植物論

 私たちが管理している近代下水道は、その技術が生まれた時代と場所の社会的要求とともに、対応技術に対する価値観があったと思われる。その価値観は、それが生まれた時代の社会的背景や、その地域の自然的気候風土にも影響されるものである。
 また、ものごとはすべて二面性を持っており、人間からの対応のありかたにより、その善悪を異にする。刃物でも使い方により、一字違いの「ドス」にもなり「メス」にもなるのである。下水道施設を見てみると、雨水の系統は主として量に関係し、起こり得る状況は事前にある程度の予測が可能である。しかしながら、汚水の系統は量と質の問題があり、予測と実現が異なれば、人為的なものであるだけに安易なようで、かえって難渋を極めることがある。食堂、ホテルなどからの油分流出防止の除害施設管理の徹底も、口で言うほど易しくはない。特に問題とされる企業活動に起因する汚水には、法律、条件等で規制されているが、これらの簡易にして的確な監視機器がなく、企業者の良心に頼るほかないのが実体である。例えば、人目に付かないときなどに、建築現場であまった生コンや低pH排水の放流など、結果に対する知識がありながら、見つからなければ丸もうけ、見つかっても罰金を払った法が安くつくといった精神構造の社会では、悩みの種となり。安易に開けられる人孔な枡の蓋から不法な投棄がされたり、排水設備の雨水を汚水の系統に接続した場合の罰金など、一私人といえども、厳しくすることが必要である。下水道の管理責任者は、あらゆる機会をとらえて下水道の正しい使い方をPRするとともに、市民全員の生涯教育としての社会教育に努めなければならな義務と責任があることは言うまでもない。
 そして水洗地区の人は、下水道をいたわるつもりで節水につとめるとともに、油分や合成洗剤など処理によくないものを流さない習慣がついてくれることが望ましい。また、未整備区域の人でも雑排水を水路等に流すことに罪の意識を持ってくれるようになれば、その町の下水道は素晴らしいものとなるであろう。欧米のスポーツの代表にゴルフがある。ゴルフはプレーヤーが即審判であり、マナーがルールなのである。罪と罰の精神風土に根ざした価値観、社会観によるシステムや施設を導入するなら、利用する人間の精神構造も変えていかなければ、その社会にとって有用な施設とはならず、かえって問題の種となることが多い。
 このように、現代における近代下水道を正しく認識し、理解する必要性は、計画し設計する人、請け負って工事をする人にもあることを忘れてはならない。


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200901

学問としての下水道

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