聖書に「人はパンのみに生くるにあらず」とある様に、人間は物質以外の「ある働き」と共にあって生きてくる。植物も水や肥料のみでない自然界の営みの恵みを受けている。汚水や汚泥の処理過程にも、初歩的な物質収支の他に、季節の変わり目におこる汚泥の活性力の低下など、人智としての分析能力を超えた「何か」があることを理解しなければならない。生理学でいう物質以外の条件や働きの中の錐体路と錐体外路系の働きなどの様に汚水浄化菌の表の働きと裡にある働きのことを理解したい。
 自然界に対して人智を尽くしながらも、なお活用できるものは大いに活用する姿勢が必要である。下水を流集したり処理をする施設を造り管理するなど、人間としての最大の努力をし、それを超える部分は自然界にゆだねなければならないのであろう。
 生育環境としての管理は、地下水や降雨等の環境条件が良ければ、あまり手が掛からない。人間の健康も腹八分目と言われる様に過剰は最悪で、控え気味が最良なのは下水道の管理においても同様なのである。


 最後に下水道とは何なのか?
 下水道をより的確に理解し得るのに擬草観、すなわち下水道植物論から見てみたい。
 水分や肥料分を吸収する毛細根は、枡や取付管にあたり、太根は幹線であろう。幹は処理場にあたり、枝葉は太陽光線を受けて光合成をする安定池や濾過池であり、花が浄化されたきれいな水ということになろう。なる実は下水道の目的である健全な明るい社会で、落ち葉は余剰汚泥で、植物にとって重要な土壌は下水道でいえば利用する市民ということになる。

 草木のうちどの部分が重要か考えてみると、毛細根ではないか。この毛細根と土壌の性質とは密接な関係があり、良くない土壌のところでは毛細根の成長は悪く、草木の生育は望めないし花や実への期待も出来ないであろう。土壌から離れての草木が意味が無いのと同様、市民の居ない下水道も意味がない。下水道も毛細根と土壌の関係である末端の枡や取付管などの状況と下水道を利用する市民のモラルの良否が下水道の良否を決定するのであるから、取付管などの施設状況と市民のあり方が下水道の基盤であるといえる。

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200901

AQUA Green Soil Co., Ltd.

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